京都、西陣に本店をおく、京菓子の老舗「鶴屋吉信」の公式サイトです。

京菓匠 鶴屋吉信

TSURUYA YOSHINOBU ENGLISH PAGE 鶴屋吉信オンラインショップ

京菓子の歴史

有職故実による儀式典礼菓子の影響を受けてきました。 有名社寺が多い土地柄、伝統の祭礼や儀式のための供餞菓子によって磨かれてきました。 茶の湯の芸術によって洗練された茶菓子をつくってきました。 四季の季節感を大切に、京都の年中行事とともにある京都人の美意識によって 育まれてきました。

※有職故実−朝廷や公家の礼式・官職・法令・年中行事・軍陣などの先例・典故。 また、それらを研究する学問。

はじまりは「くだもの」と「餅」

橘の実
橘の実

菓祖神社
菓祖神社

大昔、菓子の始まりは野いちご、桑の実、栗、柿など、野や山で採取される木の実や果物、 それに餅でした。「源氏物語」に椿餅(つばいもちひ)が載っています。

また、いちごや栗が菓子として親しまれる場面が「源氏物語」や「枕草子」に描かれています。
日本書紀に垂仁天皇の命で田道間守(たじまもり)が、常世(とこよ)の国まで旅して持ち帰った長寿の霊薬、 非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)のことが記され、 これが菓子の始まりとされます。非時香菓は柑橘類の橘の実でした。 田道間守は京都市左京区吉田山の吉田神社の末社、菓祖神社の祭神として祀られています。
常世の国とは橘の原産地、中国南部、東南アジアあたりを指したようです。 同じ柑橘類の柚子を用いる「柚餅」は、菓祖のゆかりをしのばせる銘菓といえます。

「からくだもの」

奈良・平安時代の遣唐使がさかんであった時代に、唐風文化の一つとして唐菓子が入ってきました。 穀物の粉を油で揚げてつくった団喜(だんき)や餞餅(まがり)などのことで現在、 神餞菓子として残っています。

「羊羹・饅頭」

鎌倉・室町時代に中国から茶とともに点心が伝えられ、 さらに禅文化の饅頭、羊羹、猪羹、納豆、豆腐などがもたらされて京菓子を豊かにしました。 当時の羊羹は文字通り羊の肉を煮て羹(あつもの)にした食品でした。 こんにちの羊羹は江戸時代に寒天が発明されたことにより完成したものです。

「南蛮菓子」

大航海時代にポルトガル人が金平糖、有平糖、かすていら、ぼうるなどをもたらし、 京では南蛮菓子として珍しがりました。永禄12年に宣教師ルイス・フロイスが織田信長に コンフェスト入りのフラスコを献じて喜ばれたといいます。 コンフェストとは金平糖のことでした。以後、南蛮菓子も京菓子の一部になりました。

「茶会の菓子」

喫茶と点心は茶の湯の文化となり、茶会の菓子の工夫に発展しました。 千利休の茶会の菓子として「やきぐり」「せんべい」「麩の焼き」「焼き昆布」 などが記録に残りますが、江戸時代になって公家文化の影響のもとに こんにち見るように多彩になります。

「有職菓子」

平安時代の宮廷文化を彩った有職菓子は年中行事の菓子として豊かな伝統を残しています。

正月
「はなびら餅」
三月
雛の節句菓子
五月
端午の節句菓子
六月
夏越の祓「水無月」
七月
七夕・乞功奠
九月重陽
「きせわた」
十一月
「亥の子餅」
有職菓子

「京菓子と鶴屋吉信」

京菓子が、ほぼこんにち見るような姿になったのは、江戸時代に入ってからで元禄期を過ぎ、 文化文政期の頃からといわれます。公家文化の復興と茶の湯の文化の興隆によって 京菓子も多彩な発展をとげました。

上菓子屋仲間の鑑札
上菓子屋仲間の鑑札
明治・大正期の旧店舗
明治・大正期の旧店舗

享和3年(1803)、初代伊兵衛による鶴屋吉信の創業は、そのスタートラインにあたります。 おりしも輸入砂糖配分のために上菓子仲間が結成されて上菓子司の結束と技を磨く 切磋琢磨の機運を醸成して京菓子発展に寄与したのでした。
上菓子仲間は明治・大正期には「菓匠会」に発展してこんにちに続いています。

明治維新後、鶴屋吉信3代伊兵衛は「柚餅」を創案、西陣織隆盛の地にあって 京菓子司の家業を大きく発展させました。
続く4代稲田儀三郎は、銘菓「福ハ内」を創案、昭憲皇太后をはじめ皇室のご愛顧を賜りました。 また「柚餅」を愛好した文人富岡鉄斎との親交によって大看板の揮毫や装画、 画賛などを得て京名物として声価を高めました。明治・大正の京都観光ブームに呼応して 「京名物協会」の結成を呼びかけて京みやげの業界発展に貢献したことも 儀三郎の功績として忘れられないことです。

柚餅
柚餅
天皇陛下お買い上げ沐浴
天皇陛下お買い上げ沐浴

昭和8年、昭和天皇による「柚餅お買い上げ」があり、また第二次世界大戦のさなか、 政府による「戦時京菓子18種」のひとつに「柚餅」が選ばれるなど、 激動の時代にあっても京菓子司の暖簾は守られて戦後の発展を迎えます。
戦後、5代稲田栄三によって鶴屋吉信は家業の暖簾を株式会社として近代経営に乗せて、 東京に支店を築き、多彩な営業活動を発展してきました。 「柚餅」とともに銘菓「京観世」が代表商品として 鶴屋吉信発展の力強い牽引力となってきました。

平成15年、鶴屋吉信は創業200年を迎え、京菓子文化の継承と発展を見据えてさらに研鑽怠りなく、 社員一同身を引き締めています。
定例文化イベントの「鶴游会」(現在は休会中)で発表する茶会の菓子などで、 現代における京菓子創作の意欲を燃やしています。

現在の店舗
現在の店舗
 
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